ホーム > ブログ > 建物解体で古井戸が出てきた時の対処

ブログ

建物解体で古井戸が出てきた時の対処

建物を解体していたら土地から古井戸が見つかった・・・。
人によっては慌てるかもしれません。

こういうときほど冷静にならなければ、正しい判断ができなくなります。
まずはその事実を関係者全員で現地確認することをおすすめします。
その時に位置や大きさ(直径)、深さなどを確認します。
深さについてはロープを垂らすことでおおよその確認ができます。

そのうえで、現在の取引状況や今後の土地活用による判断になります。
売買の場合は売主責任で対処するのが一般的になるかと思います。
昨年の改正民法施行により、瑕疵担保責任が契約不適合責任になりました。
それらを契約上免責としていなければ、契約不適合責任で売主負担での対処になります。

古井戸が見つかった場合の対処としては大きく以下の2つに分かれます。

1.撤去する
2.埋め戻す

どちらになるかは、井戸の位置や大きさ、買主側の建築への影響によることになります。
例えば、建築に大きな支障が出るという場合は撤去するしかありませんし、
そうでなければ埋戻しでよいということもあります。

売主にとって古井戸のような埋設物発見は古家解体中での出来事であることが多く、
特に建物基礎部分の撤去中に見つかることが多いようです。

解体業者の重機が残っている場合は撤去も埋戻しもいずれもすみやかに行うことで
追加費用を抑えることができます。
重機を引き上げていた場合は、重機の回送費だけでも、それなりの負担になります。

撤去する場合は、通常は売主の負担で行います。

埋め戻す場合も売主負担になるのですが、その流れは以下のようになります。

1,氏神様を祀る神社の神主に初穂料を納めて井戸のお祓いをする
2,井戸を息抜きや砂の種類に注意して埋める

井戸を埋め戻す際にはお祓いをするのが望ましいかと思います。
その際にはその土地の氏神を祀る神社の神主に依頼し、初穂料(3万円~5万円)を納めて
お祓いをとり行っていただきます。

お祓いにはその時点での土地の所有者はなるべく参加された方が良いでしょう。
また、そのお祓いに際しては以下のものを用意する必要がありますので
神社に確認をしてください。

例:お米(白米)5合
  野菜 2~3種類
  果物 2~3種類
  スルメ
  昆布
  かつお節
  塩 一握り
  水 茶碗一杯
  日本酒 4合瓶
  紙コップ お祓いに参加する人数分

尚、これらの供物はお祓い終了後に神社に納めるか、自宅に持ち帰るかを選べます。

お祓いが終わったら井戸を埋め戻すことになりますが、
その際に井戸の底には水の流れを止めないような砂(砂利や砥石など)を入れ、その上から土をかけて埋めていきます。
また、忘れてはならないのが息抜きで、井戸の深さに合わせたパイプなどを埋めることで井戸の中に溜まってった
湿気を抜く作業です。たいていの解体業者はこのような作業に手慣れており、作業手順を確認しておくとよいでしょう。

建物解体で古井戸が出てきた時は以上のような流れで対処すれば問題ありません。
あわてたり大騒ぎすることなく、冷静に対処することが肝要です。
参考にされてください。