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「ダントツ経営」コマツ会長の坂根正弘さんの話

沖野元です。
先日都内で開かれた講演会で、コマツの坂根正弘会長の話を聞く機会がありました。
坂根さんと言えば「ダントツ経営」です。
以前テレビでコマツという会社と会長の坂根さんのインタビューを
見て「すごい会社」の「すごい人」という印象がありました。
実際の坂根さんは目から鼻に抜けるような頭の良い人でした。
頭の回転が速く、ものごとの要点がわかっているので多くを語らずとも
すべてをわかってしまう人・・・。
本当にすごい人でした。
講演の内容で印象に残ったところをまとめてみたいと思います。
・今後世界の人口増と都市化が進む。
 都市化ということは日本ではあまり言われないが、世界では多く使われる指標である。
・今までは日米欧時代だった。これからはグローバル時代になる。
・資源エネルギー、食糧、水、地球環境が重要な時代が来る。
・「日本は技術で勝ってビジネスで負ける」と言われるが、これはトップの責任である。
 トップが早く動くと勝てる。つまり日本はトップダウンが弱い。
 トップが早く動きに気づいてビジネスモデルを作る。ここが勝負。
・コマツでは「環境・安全・IT」でダントツを目指してやってきた。
 例えばITでは自分の仕事を全部IT化してきた。
・これからは世界展開しようとする時ITが自前主義ではついていけないだろう。
・コマツでは「市場の見える化」を進めてきた。
 その例が自社商品にGPSをつけて世界の稼働率を随時把握できるようにしたことだ。
・企業価値の明確化、ブランドマネジメントに力を注いだ。
 「その企業でないと困る」というレベルにまで高めることが重要だ。
・企業価値活動は結局顧客に戻る。
・顧客・パートナー企業ともに苦しい時こそ信頼関係を築くチャンスである。
 そうすると良くなったときにリターンがもらえる。
 またここまでいかないと企業価値は高まらない。
・「ダントツ商品」は必ず追いつかれる。
 「ダントツサービス」をやれば勝てる。その上で「ダントツ経営」に持っていくことだ。
・「ダントツ」の流れはこうだ。
 「商品作り」⇒「サービス」⇒「経営」
・企業にとってミス・不正はあり得る。それを隠すことが「悪」だと伝える。
 そして「悪いニュース」を第一に報せるように言う。
 これを会社の中での仕組みづくりとして定着するまで延々と続ける。
・実質GDPではなく名目GDPで考える。
・守りに入って生き残った企業はない。
・日本企業はもの作りはうまいが、仕組化、ビジネスモデル化が下手。
・専門性が大切。
 専門性のない人間は海外に行ってもリスペクトされない。
 英語よりも専門性だ。ゼネラリストはダメ。
・これからはアジアという成長市場と何らかの関わりを持つことが重要だ。
・グローバル競争で勝つには言葉も大事だが「価値観」の方が大事。
 価値観の共有を中心とした人材教育が重要になる。
・すぐにインターネットや本で調べるのではなく、「自分で見て、語って、実行する中で
 考えていく」ことが大切で、それで初めてオリジナリティが生まれる。
・まず自分の中で強みを見つけ、伸ばすこと。そしてダントツになるために技を磨くこと。
・優秀な人材は人事権を本社預りにして、どんどん異動させて成長させる。
以上です。
講演は1時間半位でしたが、もっと聞きたいと思うほど濃い内容でした。
特に「すべての仕事をIT化する」と「強みを磨いてダントツに育てる」、
そして「ダントツは商品だけでなくサービスもある」という話については
すぐに私のビジネスに生かしていきたいと思いました。
こういう頭が良くて志がある人はどんどん要職に就けるべきですね。
経団連の副会長もされているので手いっぱいでしょうか。